作成日:2025 年 5 月 26 日 38 池田基金事務局 御中 作成者:94 回 中村寬介 本基金のご支援を得て、2024 年 9 月に ITS 世界会議に出席、また 2025 年 2 月、3 月に マルタ共和国にて語学留学をさせていただきましたので、報告させていただきます。 ① ITS 世界会議に関するご報告 参加の経緯としましては、私が大学院で所属していた研究室の指導教員(教授)およびその関係者が出席される国際会議であり、さらに本会議は年に一度、世界中から ITS 分野の研究者、製品開発企業、政府機関などが一堂に会する重要な場であったため、ぜ ひ参加したいと考えました。また当時、私は本田技研工業の自動運転開発部門への配属を希 望しており(本稿執筆時点で配属が確定)、今後のキャリア形成にもつながる経験になると 期待しておりました。 当日は指導教員とともに行動し、私自身が思い描いていたとおり、指導教員の知人の方々や新たに出会った世界各国の参加者と交流することができました。こ の貴重な人脈を、今後の自動車メーカーでの業務に活かしていきたいと考えています。 会議当日の様子についてですが、ITS 分野は非常に多岐にわたるため、1 日に 20〜30 件 ものテーマが設定され、それに応じて 10 前後の会場に分かれて講演が行われていました。 各会場では、研究者や機関による研究成果の発表や今後の取り組み方針などが共有され、聴 講者との間で活発な議論が交わされていました。中には、今後の条件次第で実用化が期待さ れる技術も多く見受けられ、大変刺激的でした。また、メインホールには世界各国の ITS 関連企業のブースが設けられ、各社が最新の技術や製品、取り組みを PR しており、世界に向 けてのアピールの場となっていました。 自動運転技術や電動化技術など、社会実装が進みつ つある分野に関する展示が中心で、初めて目にする技術も多く、大変勉強になりました。さらに、課外イベントとしては、ドバイメトロの運行管理センター、ドバイ国際空港の中央管理室の見学、ドバイ市内での自動運転実証実験の見学など、本会議ならではの貴重なツアーも企画されました。 最後になりますが、池田基金の皆様には、本国際会議への参加にあたり多大なるご支援を賜り、心より感謝申し上げます。今回が初めての国際会議参加となり、大変貴重で素晴らしい経験となりました。 自動車メーカーにて自動運転開発に携わる私にとって、世界の現状を 直接知ることができたことは、今後の業務に大きな意義をもたらすと確信しております。す ぐに成果として表れるものではないかもしれませんが、10 年、20 年という長いスパンで今 回の経験を活かしていければと考えています。また、後輩の皆さんには、ぜひ積極的に国際 会議などに参加し、日本や世界の現状を自分の目で確かめていただきたいと思います。その 経験は、必ず将来に活かされると信じています。 ② マルタ共和国における語学研修 ◼ 研修日時 2025 年 2 月、3 月 ◼ 内容 大学・大学院 の間に一度は海外留学を経験したいと考えていましたが、ちょうど交換留学等を検討し始 めた頃に新型コロナウイルスの影響が拡大し、海外渡航の機会が大きく制限されました。2023 年以降、徐々に海外渡航が可能になったものの、学部での卒業研究や大学院入試など が重なり、タイミングを逃し続けていました。そのような中、社会人としての生活が間近に迫るにつれ、「今しかない」と決意し、大学院 2 年の春休みを活用して短期ではありますが留学を実現しました。 EC マルタ校を選んだ理由は、インターネット等の情報から、マルタ 共和国が温暖な気候で生活環境も良く、国全体として語学留学に力を入れている点、そして日本人留学生が比較的少ない点に魅力を感じたためです。その結果、短期語学研修として最適な環境であると判断し、この学校を選びました。 EC マルタ校の語学研修は、授業とアク ティビティを通じて英語を学ぶ形式でした。授業は、事前に選択式のクラス分けテストを受け、スコアに応じてクラスが編成されます。各教室では専用のテキストを使用し、英語力の向上を目指します。私のクラスは文法が習得済みであることを前提とした構成で、授業の大 半がスピーキングを中心としたディスカッション形式でした。ディスカッションでは、自分 の意見を積極的に発信することが求められましたが、「意見はあるが英語が出てこない」と いう壁に何度も直面しました。他の日本人学生も同じような悩みを抱えており、スピーキン グ力の重要性を改めて痛感しました。もっと話せれば、より深く議論に参加できたと感じています。 アクティビティについては、毎日学校側が企画しており、参加することで毎回異なる国籍の学生と交流できました。共通の活動を通してすぐに打ち解けられるため、英語に自信がなくても気軽に話すことができ、実践的な会話の練習にもなりました。私は、授業とアクティビティの両方に積極的に参加し、限られた期間の中で最大限英語力向上に努めることができたと考えています。 最後になりますが、池田基金の皆様には、本語学研修への資金支援を賜り、心より感謝申し上げます。新型コロナの影響で一時は諦めかけていた海外留学でしたが、本基金のご支援が大きな後押しとなりました。短い期間ではありましたが、現地で得た多くの学びと経験は、 これからの人生において大きな糧になると確信しています。後輩の皆さんには、少しでも海 外に興味がありましたら、ぜひ思い切って一歩を踏み出してみてほしいと思います。その経 験は、きっと将来に生きてくるはずです。 写真(1,2 枚目は私が撮影、3 枚目はインターネットより引用) ![]() ![]() ![]() |